. 言論NPO主催「東京-北京フォーラム」公式サイト - 【記事】22日全体会議 前半

 110822 f top8月22日午前、「第7回北京-東京フォーラム」における議論の総括を行う全体会議が開催されました。今回の司会は、慶応義塾大学法学部長・教授の国分良成氏が務めました。

 

 

 全体会議前半は、日中両国から3名ずつが登壇し、基調講演を行いました。

 110822 f cyoまず、趙啓正氏(全国政治協商会議外事委員会主任)は今回の世論調査においてお互いに対する印象が両国で共に下がった現象を深く憂慮し、民間交流の脆弱性を痛感しているとして、状況を変えていくためにも、「中日の政治家が、積極的な姿勢、すなわち共通の利益を発見し追求すること、また、経済構造の補完性のもとで手を携えていくべきだ」と主張しました。また、「領土問題のような突発的な事象について突発的な対処をしてはいけない」とも述べ、正しく中日関係の摩擦を対処し、そうした事象だけで両国関係を破壊しないことが求められるとしました。

 

 110822 f yamada次に、山田啓二氏(全国知事会会長、京都府知事)は、「地方同士の交流は、今回のテーマである「アジアの未来と経済再構築に向けた日中協力」のための土台を作ることが出来るだろう」と述べ、「その役割を地方がしっかりと担うことで、両国関係にどれほどの波があろうとも、日中の友好を維持する前提となる」と強調しました。そして、残り3回となった本フォーラムで質の高い地方対話をつくり上げたいと強く主張しました。

 

 110822 f chin次に挨拶をした陳昊蘇氏(中国人民対外友好協会会長)は、本フォーラム発足当初から中国側のキーパーソンとしてその発展に献身されていますが、2012年が中日国交正常化40周年、2013年が友好都市提携40周年、そして三年後の2014年は、この「北京-東京フォーラム」10年目にあたると指摘。この三年間が中日両国にとって極めて大きな重要性を持ち、そのそれぞれにおいて双方の工夫をこらすべきと提案しました。

 

 110822 f ishiba本フォーラムの「安全保障対話」に継続して参加している石破茂氏(自由民主党政務調査会長)は、様々な分野の中でも安全保障は最も議論の多いところだとした上で、この分野の相互理解を深めるためには、「軍人同士、我が国で言えば自衛官の交流が最も重要で、お互いの装備を可能な限り透明性を持ってお互いが知ることが重要だ」としました。最後に石破氏は、「冷戦が終わったからこそ、同盟が必要だと固く信じている」との持論を展開し、「冷戦後、バランス・オブ・パワーが機能していないからこそ、信頼できる同盟関係を強めていかなければならない」と述べる一方で、日中関係についても、単なる非難や卑下ではなく、本当の相互理解を一日も早く作ることで、両国が世界の発展と安定のために貢献していきたいと力強く語りました。

 

 110822 f gi魏建国氏(中国国際経済交流センター秘書長)は、来年の中日国交正常化40周年を節目として、「着実に、具体的な中日間のFTA交渉の成果を出したい」とFTA締結に向けた強い意欲を語りました。さらに、政治的な判断、理念をもって、二国間の部門別の障害を取り上げ、戦略的互恵関係のさらなる発展に尽くすべきだとしました。

 

 110822 f matsumoto内閣官房参与の松本健一氏は、東アジア共同体についての持論を展開しながら、「今年は辛亥革命100年。そのときすでに、孫文が日中で連携してアジアの復興を目指していた。今こそその原点を見直すべき時だ」と述べました。

 

 

 以上で基調講演は終了し、全体会議後半では各分科会ごとの報告、総括に移ります。

 

 

 

カテゴリ: 22日全体会議

親カテゴリ: 2011年 第7回
カテゴリ: 記事