8月30日、言論NPO茅場町スタジオにおいて、
「第12回 東京-北京フォーラム」実行委員会の第4回会議が開催され、20名を超える実行委員が参加しました。
会議の冒頭で、明石康・実行委員長(国際文化会館理事長)は、開催まで1カ月を切った中で、「経済分科会の中国側パネリストは充実してきた」と触れたものの、その他の参加者について、さらなる充実を中国側に求めていることを報告。その上で、「実行委員も協力しながら、フォーラムを成功に導きたい」と挨拶しました。
次に、運営委員長を務める言論NPO代表の工藤泰志から、会議運営について、①政治・外交、②経済、③メディア、④安全保障、⑤特別の5分科会のテーマについて、今後のスケジュール等の現状と課題について報告があり、「開催まで1カ月の段階で課題が残っているが、皆さんのご支援、ご協力を得て、無事に開催し、成功させたい」とフォーラムへの意気込みを語りました。
続いて、宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表)、山口廣秀氏(日興リサーチセンター株式会社理事長)の両副実行委員長から、中国の政治情勢、経済情勢についてコメントがありました。
宮本氏は、2012年の習近平政権発足後の過渡期に比べるとある程度安定していると指摘し、中国の他の対外交流が影響を受ける中で「東京-北京フォーラム」の開催自体は問題ないものの、自由な言論については逆風が吹いている、と語りました。
また、中国国内の現状については、来年の中国共産党大会に向けて内部の鍔迫り合いが起こり、外交にも影響していること、対外関係や言論については慎重になり、来年秋まで落ち着きのない展開となることなどを指摘し、こうした事由が今後の日中関係にも影響を与えてくるだろうとの見通しを示しました。
山口氏は、世界経済は、今年6月のBrexitで動揺したものの、全体としては落ち着いていると述べつつも、株価の戻りは遅く、経済の中身も設備投資、借り入れの過剰が目立っており、それをどうするかが大きな課題だ、と指摘。一方で、中国経済については、習近平政権は来年の党大会を前に局面を乗り切るために、課題の先送りをするかもしれないとの予測を示しつつ、ハードランディングに陥ることは当面考えなくて良いのではないか、との見通しを示しました。
その後、出席者による意見交換が行われました。経済分科会において、「中国が直面する構造改革について日本の経験を学び、一方で日本が中国のネット通販の進化を学ぶなど、相互に学び合う議論ができないか」といった意見や、安全保障分科会では「日中の安全保障環境が悪化する中で、これ以上、悪化させないために何ができるのか」といった議論をしていきたいなど、各分科会の論点、議論の進行について幅広い意見が寄せられるなど、活発な意見交換が行われました。
最後に、閉会の挨拶に立った宮本氏は、フォーラムの準備が1カ月を切る中、開催の成功に向けてまだまだ予断を許さないことを指摘した上で、「昨年も大変な困難の中、乗り越えてきた経験を糧に、『第12回 東京-北京フォーラム』を成功させたい」とフォーラムの成功に向けて意気込みを語りました。さらに、資金調達などについても引き続きの支援と協力を求め会議を締めくくりました。
「第12回 東京-北京フォーラム」は9月27日、28日の開催に向け、準備が加速していきます。その模様は言論NPOのホームページで随時お知らせしていきますので、ご期待ください。
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