7月8日(金)、都内において、「第12回 東京-北京フォーラム」実行委員会の 第3回会議が、中国側主催団体である中国国際出版集団の周明偉総裁をはじめとする代表団を迎え、30名を超える参加を得て開催されました。
会議において、運営委員長を務める言論NPO代表の工藤泰志から当日まで行われた言論NPOと中国国際出版集団との主催者間協議における合意内容として、(1)開催時期について9月27日、28日の2日間とすること、(2)会議の運営方針として全体会議の他、政治外交、安全保障、経済、メディア、特別分科会の5つの分科会を行うこと、(3)会議の成果として各分科会での合意を踏まえた「コンセンサス」を最終日に発表すること等が報告されました。
これらの合意事項をもとに、分科会のテーマ等細部については引き続き日本側と中国側で緊密に連携し、協議することになりまし
た。
会議の冒頭で、副実行委員長の宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表)より、「第1回 東京-北京フォーラム」より、多大な貢献をなされた元駐仏中国大使の呉建民氏、元朝日新聞主筆の若宮啓文氏、麗澤大学教授の松本健一氏が逝去されたことに際し、哀悼の意と彼らの遺志を継ぐ気持ちを表すために、黙祷を提案したいとの発言があり、全員で1分間の黙祷を行いました。
続いて、実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)より、「今回、同じ目的を有する中国側主催団体一行が、『東京-北京フォーラム』をより有効なものにするために東京に集まり準備作業を行えることは大変嬉しい。今回のフォーラムがより意義深い会合になるであろうことを心から望み、確信している」と述べました。また、言論NPOが行ったアンケート結果を紹介しながら、「日中関係は次第に良い局面になっているが、もっと良くなるはずなのになかなか改善しないという率直な意見が、特に若い人から寄せられている。日中関係の改善や、北東アジアの平和構築のために我々のフォーラムが貢献できることは多い。日中が心を合わせて、障害を取り除き、実りある、良質な会議を目指していこう」と呼び掛け、あいさつに代えました。
次に中国側を代表して、周明偉氏と中国国務院新聞弁公室国際連絡局巡視員の丁小鳴氏があいさつを行いました。
周明偉氏は「言論NPOとの協議を重ねる中で、中日関係が非常に厳しい時期、希望に満ちた中日関係に向けて『東京-北京フォーラム』が両国の関係改善においてこれまで重要な役割を果たしてきたことを実感している。中日双方は、『東京-北京フォーラム』を通じて、中日関係改善、世論形成にプラスの影響を与えたいとの強い意欲を示し、中国側も日本側実行委員会、各方面の有識者とともに努力し、今回のフォーラムを成功させたい」とあいさつしました。
丁小鳴氏は、「今回、『東京-北京フォーラム』の準備がスムーズに進み、成果を確保できるよう、国務院新聞弁公室として今年4月に蒋建国主任と明石実行委員長との間で合意したコンセンサスに基づき、パネリストの招へい、フォーラムの運営についても中国国際出版集団をサポートしたい。中日双方の努力を通じて、『東京-北京フォーラム』がますます発展し、中日関係改善により大きな、新たな貢献ができるよう期待する」と語りました。
その後、出席者による意見交換が行われました。各委員からは「日中関
係は日中の国民だけのものではなく世界のものであるという視点を持ち、世界的課題を議論してはどうか」「日中のチャネルが有効に機能するためには相互の信頼関係が大きいと思うが、『東京-北京フォーラム』がここまで回を重ねてきたという実績が財産になっており、日中がこれを有効に活かすことが重要ではないか」「言論NPOは、政府間対話と異なる観点を提示すべきであるし、提示することが期待される。日中双方が非常に多元化した社会なので、国ごとではなく分野ごとに合意できることもあるのではないか」など各分科会のテーマ等について、幅広い意見が寄せられるなど、活発な意見交換が行われました。
最後に、閉会の挨拶に立った宮本雄二氏は「4月に事前協議で北京に行き、中国側と議論する中で、中国側から『今の状況下でいかにして日中関係を良くするか、そのために積極的に貢献するのが我々の役割である』との発言があった。日本も中国も同じ志を持った人達が集まって、このフォーラムを進めているのだと改めて実感している。今日、周明偉氏の実行委員会への参加を受け、今回のフォーラムの成功を強く確信した」と「第12回東京-北京フォーラム」の成功への決意を述べ、会議は終了しました。
言論NPOは9月下旬の「第12回 東京-北京フォーラム」開催に向け、準備を本格化させます。開催準備の進展については、言論NPOホームページで随時報告を行っていきます。
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