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【安全保障対話】前半テーマ:東アジアの軍事的緊張をどう封じ込める

安全保障対話
 10月26日午後に開催された安全保障対話では、テーマを「東アジアの安定と紛争の平和的解決」とし、中国の国防費の増加、尖閣諸島問題、米国のアジア戦略、北朝鮮問題、歴史問題、安倍総理の唱える積極的平和主義といった問題について、元軍人を含む日中双方の有識者が活発かつ率直な議論を交わしました。

 出席者は、日本側の司会者が宮本雄二氏(元駐中国特命全権大使、宮本アジア研究所所長)、パネリストは中谷元氏(自民党副幹事長、元防衛庁長官)、山口昇氏(防衛大学安全保障・危機管理教育センター教授)、小野田治(前航空教育集団司令官、元空将)、香田洋二(元自衛艦隊司令官、元海将、中国政経懇談会第36次訪中団団長)、東郷和彦(元外務省条約局長、京都産業大学教授、世界問題研究所所長)、藤崎一郎(上智大学特別招聘教授、前駐米国特命全権大使)。

 中国側の司会者は張沱生氏(中国国際戦略研究基金会学術委員会主任)、パネリストは、陳健氏(元国連事務次長)、楊毅氏(国防大学戦略研究所前所長、海軍少将)、朱成虎氏(前国防大学防務学院院長、国防大学教授、少将)、李薇氏(中国社会科学院日本研究所所長)、金永明氏(上海社会科学院中国海洋戦略研究センター主任、日本研究センター常務副主任)、趙世通氏(中共中央対外連絡部二局副局長)、呉懐中氏(中国社会科学院日本研究所政治研究室主任)でした。


陳健氏(元中国連合国協会会長、元国連事務次長) まず中国側パネリストを代表して、陳健氏が基調報告を行いました。同氏は、日中関係をとりまく国際関係に大きな変化が生じていることを指摘し、その変化の中で日中両国は、二国間関係および米国との関係を新たに位置づけなければいけないと主張。そして、中国側は「日本の対中姿勢に変化が生じており、日本は北朝鮮と同じように中国を脅威ととらえ警戒している」と認識している旨を紹介しました。そして日本側が疑念の目を向けている中国の国防費の増加について、改めて中国にとって必要不可欠の選択である旨説明し、日本が中国を競争者と見立てた結果として本当に軍拡競争に陥ってしまう危険性を指摘しました。

中谷元氏(自民党副幹事長、元防衛庁長官) 次に日本側パネリストを代表して、中谷氏は、日中間の防衛当局間の危機管理メカニズムの構築を改めて呼びかけるとともに、尖閣諸島や歴史問題があるからといって全体の関係を止めることは得策でなく、北朝鮮問題や環境、経済協力といった、協力が可能な分野での実績を積み上げていくべきと指摘しました。そして、昨年9月の尖閣諸島の「国有化」について改めて日本政府の目的を説明しました。また、人民解放軍艦船による海上自衛隊艦船へのレーダー照射や、中国籍と見られる無人機や潜水艦の尖閣諸島周辺領域の活動などに触れ、緊張がこれ以上高まると、日本としても集団的自衛権のみならず個別的自衛権行使の解釈変更を含めて防衛政策を強化せざるを得なくなると危機感を示し、こうした事態を未然に防ぐためにも危機管理メカニズムの構築を急ぐべきと強調しました。

朱成虎氏(前国防大学防務学院院長、国防大学教授、少将) 続いて発言した朱成虎氏は、目下の日中関係の悪化の域外の要因として米国のアジア太平洋戦略を、域内の要因として日中間の相互信頼の欠如などを指摘しました。そして、中国の軍事力の発展について、「中国は決して米国の軍事力を超えられないし、国内的な問題の解決や国際的な責任を果たす必要がある」と述べ、戦後日本の高度成長期の防衛費増額の例を引きつつ、「現在の中国は過去の日本にも似ており、ぜひ理解してほしい」と述べました。

藤崎一郎(上智大学特別招聘教授、前駐米国特命全権大使) 藤崎氏は、まず中国の国防費について、日米などは中国に透明性を求めているが、この要求が中国をミスリードしている可能性がある、日米の本当の懸念はその先、中国がどの程度の規模の軍事力を目標とするのかという点であると述べ、尖閣諸島問題については、「どちらか一方が上から『もっと譲歩しろ』と要求するのではなく、互いにできることを探るべき」と指摘。この問題は東シナ海および南シナ海におけるルールの確立の問題であるという視点が必要であると述べました。現在の悪化した日中関係については、政治関係の緊張を緩和するために経済関係をうまく梃子として利用する必要性を説き、また現在の「戦略的互恵関係」に加え、「古典など文化的な共通点に基づく両国民間の心と心のつながりという観点がほしい」と述べました。

楊毅氏(国防大学戦略研究所前所長、海軍少将) 楊毅氏も、日中関係の悪化の域外の要因として米国の「アジア回帰」を指摘し、「米国の意図とは関係なく、東アジアの『水』を濁らせている。負の面が大きい」と非難しました。そして日中両国で外交に対する世論の影響力が強まっており、政府は手足を縛られた状態となってしまっている。さらに、日本は米国との関係強化を口実に専守防衛の枠組みを突破しようとしているのではないかとの疑念を示しました。そして打開策として、独仏両国が欧州地域の安定へ果たしている役割を学ぶべきであるとし、「両雄並び立たず」と考えるべきではないと述べました。

山口昇氏(防衛大学安全保障・危機管理教育センター教授) 山口氏は、日本も90年代までの経済成長によるGDP増加の結果、1%以内とはいえ日本の防衛費も実は右肩上がりで増額していたことを指摘しました。また、独立国が国防のために努力するのは当然であり尊重すべきとの前提のもと、自衛隊の離島奪還演習や人民解放軍の艦隊の宮古水道の通過などがそれぞれ相手国に懸念を抱かせるのはやむを得ないこととして、「我々安全保障のプロが、こうした出来事の本質を自国民に対して丁寧に説明し、必要以上の誤解を招かないよう努力することが必要」と述べました。

呉懐中氏(中国社会科学院日本研究所政治研究室主任) 呉懐中氏は、「並行論を繰り返すのではなく、日中双方の主張のいわば『中間線』に立って物事を考えるべき」と主張し、中国は自らの国防力増強について主観的には何らの悪意がなくとも、客観的には米国を抜くつもりなのではないかとの懸念を抱かれてしまうと指摘し、中国側にも努力が必要との見方を示しました。また、両国関係で重大な問題が発生するとすべての交流を止めてしまうという中国外交のやり方に疑問を呈し、危機管理についての地道な努力を止めるべきではないと強調。最後に、日中間での偶発的な接触の危険性に触れ、中国軍の動向は本来国際法上何らの問題もなく心配する必要はないものを、日本のメディアは過剰に騒ぎすぎていると非難しました。


東郷和彦(元外務省条約局長、京都産業大学教授、世界問題研究所所長) 東郷氏は、「尖閣諸島問題の『とげ』をどう抜くか、それには日中両国が全面的な対話を行うほかはない」と指摘しました。そしてかつて北方領土交渉においてソ連側が「領土問題は存在せず、対話もしない」という立場から「(領土問題が)存在しないという立場は不変だが、対話はする」という立場に変わり、その後5年間にわたって交渉が継続した事例を引き合いに出し、「安倍政権は『領土問題は存在しない』と言うと同時に、『対話の窓は開いている』とも言っている。これは大きな機会である」と強調しました。そして、個人的には尖閣諸島問題のいわゆる「棚上げ」に回帰することに賛成するとした上で、自身が領土問題についてかつて提唱した、①実効支配国は対話に応じる、②現状変更国は平和的にこれを行う、③双方が知恵を出して衝突に至らないようなメカニズムづくりを行う、という三原則を示し、この原則に沿って日中両国が対話することで解決が見えてくるとの考えを示しました。

李薇氏(中国社会科学院日本研究所所長) 李薇氏は、山口氏の発言に関連して、日本の高度経済成長期には防衛費がほぼ一貫して二けた台の伸びを示していたとの調査結果を示しつつ、「この急激な防衛費の増加も、戦後日本の平和的発展の道は変わらなかった。同じような視線で中国を見ることはできないのか」と日本側に問いかけました。そして、日本で中国脅威論として取り上げられることの多い中国の空母「遼寧」についても「専門家である皆さんは、あの空母がどこから入手したもので、どの程度の能力を有しているか、よく御存じのはずである」と述べ、中国脅威論や東アジアでの軍事衝突に関する日本の報道の多さを非難しました。そしてこのような日本側の報道が中国政府の反発を呼び、それがさらに日本を刺激するという悪循環が続けば本当の危機が起きてしまうと危機感をあらわにしました。

 小野田氏は、安全保障における「抑止」を機能させるためには、両国の専門家同士の「対話」が逆説的だが一番必要であり、それが「抑止」を信頼性あるものにすると指摘しました。そしてこうした対話は米中間では充実しているものの日中間では行われておらず、日中間、さらには日米中の三カ国間で行うべきであり、軍事力強化の目的についての対話を活発させることが緊張緩和のために非常に重要であると指摘しました。

金永明氏(上海社会科学院中国海洋戦略研究センター主任、日本研究センター常務副主任) 金永明氏は、まず日本の中国に対する円借款によって中国は発展できたと感謝を述べ、続いて尖閣諸島について「歴史的に中国の領土で、回収していないだけである」など独自の主張を述べました。そして同諸島をめぐる日本側のこれまでの措置も、いわゆる「棚上げ」を事実上認めていたものであり、領有権問題の存在は否定できないと述べました。そして、72年の共同宣言をはじめとする「4つの政治文書」の原点に戻り、同諸島問題を解決するための新たな枠組みを作るのが我々の役割ではないか、と呼びかけました。

香田洋二氏(元自衛艦隊司令官、元海将、中国政経懇談会第36次訪中団団長) 香田氏は、「尖閣諸島をめぐって、日中両国はそもそも軍事的な緊張関係にあるのか?」と問いかけ、両国の軍事部門や政府のトップは自制しているというのが本質である、これは両国の知恵であると評価しました。そして、朱氏の「軍事的発展は必然」という発言に対し、日本側が冷戦の終結に伴い防衛体制を変更することもまた必然であり、メディアの報道に踊らされてはならないと注意を促しました。そして、日米同盟に対する中国の批判に反論しながら、「特に中国とインドは同盟国を持ったことがないため、同盟関係に対する理解が浅い。他国の同盟を自分のレンズで一方的に見ている。そのためこういった場でしっかりと同盟についても議論することが重要である」と述べました。

 双方のパネリストの発言が一巡したのち、自由討論に入り、中国側からは安倍総理が提唱している積極的平和主義に対する質問や米国の「アジア回帰」に対する非難が相次ぎました。

 また日本側は、中国の軍事力増強の背景や目標、また中国側の対米観に対して、「中国の経済力はすでに世界第二位なのにまだ国防費を増額しようとしている点が日本と異なる。なぜ国内に多くの貧困層がいるにも関わらず国防費を増やし続けるのか」、「冷戦終結後すでに25年が経っているのに、これほどに冷戦的な発想をしている国はないのではないか。米ロもNATOもとっくにそうした思考を克服したのに、日中間ではなぜいまだに軍事費増加云々という議論をしているのか」といった率直な議論がなされ、前半を終了しました。


【安全保障対話】後半テーマ:東アジアの安定と紛争の解決をどう進めるか

 コーヒーブレイクを挟んで行われた安全保障分科会の後半部分では、日本側パネリストから山口昇氏(防衛大学校教授、元陸将)が基調報告を行いました。同氏は先日防衛大学校で行われたJ・ナイ教授の講演の内容を紹介したのち、日中両国の安全保障の専門家は、メディアの過激な報道に流されずに冷静な議論を尽くし、相手国だけでなく自国民にも問題の本質を伝える必要があると述べました。そして非伝統的脅威への対応においては日中間の協力の実績があり、これをもっと両国民に周知して相手国に対する不安感をなくしていくべきと提案しました。

 続いて、中国側パネリストを代表して楊毅氏(国防大学戦略研究所前所長、海軍少将)が基調報告を行いました。楊氏は北朝鮮の脅威に対する日米の弾道ミサイル防衛等の整備は、実は中国の核能力の無力化を意図しているのではないかという疑問を呈し、日中は協力して北朝鮮の脅威に対応するべきと述べました。そして東シナ海情勢については、「不毛な非難合戦はやめるべきであり、誠意を見せて対話するべきである。対抗措置の連鎖ではなく、双方が手を携えて地域を安定させなくてはいけない」と主張しました。さらに南シナ海問題について「日本は中国とASEAN諸国の争いに付け入り、利を得ようとしているのではないか。中国を仮想敵国にしているのではないか」と述べました。そして最後に、「日本が中国と仲良くすれば、日本が得られるものは日米同盟の強化よりはるかに大きく、失うものははるかに少ない。中国が日本を超えるのは当然であり、日本は認めたくなくても認めるべきである。中国との協力は戦略的な選択である」、「海洋問題についても発想を変えるべきである。第一列島線は日本や米国にとっても重要であり、協力の余地がある」などと強調しました。

 こののち、フロアでは尖閣諸島問題、北朝鮮問題と日米の弾道ミサイル防衛、中国の台頭と南シナ海問題、日米関係などについて率直な議論が行われました。


 尖閣諸島問題については、中国側より、「中国側は軍事力に訴えるつもりはない。米国も日中両国の喧嘩は見たいかもしれないが戦争は見たくなかろう」(陳氏)、「この問題はもう底を打った。対話をするべきだが、問題は何を話すかである。」(陳氏)、「(尖閣諸島に対し)中国側が能動的に行動を起こすことはないが、もし日本側が何かやれば必ず反応する」(楊氏)、「南シナ海での問題の解決方法を東シナ海にも応用できる。敏感でない分野の相互効力、法的拘束力を有する規則の規定、領有権問題そのものの解決、という三段構えがよい。機能面と規範面の協力を両立することが重要。尖閣諸島問題については、2008年6月の東シナ海に関する合意を復活させ、新たな資源の共同開発区域の交渉に同島周辺海域も入れてしまうのがよい」(金氏)といった発言がなされました。

 これに対して日本側は、「力により解決など実際には不可能である。島を奪還できても、それを維持することは極めて困難であり、武力で決定的な変化は起こせない」(山口氏)、「中国側が実力で島を奪う意図がないのであれば、ぜひ行動で示していただきたい」(藤崎氏)、「日ソ間の北方領土交渉と同じく、事務レベルで徹底的に議論するとともに、首脳同士でも対局を語るべきであり、同時並行でやればそう遠くない未来に双方の納得できる解決策が出てくるのではないか」(東郷氏)、などと応じました。


 北朝鮮問題については、中国側から、「中国は朝鮮半島の非核化、安定の維持、対話による解決という3つの原則を堅持している。問題の抜本療法として、新しい安全保障の枠組みを作るべき。半島が安定すれば日中関係も安定し、逆もまた然りである。北を日中協力の舞台にしてはどうか」(趙氏)、「交渉が解決のための唯一の方法であり、六者協議より重要な場はない。この再開は、少なくとも北朝鮮を交渉のテーブルにつけさせるための圧力をかけられる」「金正恩をどう思うか?まだ若造であり、父親の権力を引き継いだだけの存在であり、ひょっとしたら我々の行動が彼の改革を邪魔している可能性もある」「(武器不拡散のための)PSIへの協力については、理解はできるがこれは主権国に対する主権侵害であり、ぜひ制裁に関する中国の立場をご理解いただきたい」(朱氏)、

 日本側からは、「朝鮮半島について中国はどうしたいのか、非核化と言うが、実際にはミサイルの開発が進んでいるのではないか。中国が北朝鮮問題にどのように向き合おうとしているのか本当にわからない」(香田氏)といった意見が出されました。


 また北朝鮮問題に関連する日米の弾道ミサイル防衛(BMD)については、中国側より、「北朝鮮が弾道ミサイルで日米を滅亡させることなど不可能であり、もしそうすれば北が自滅するだけである。中国は米国のミサイル軍拡に付き合う意図も体力もないが、反撃可能な最低水準の能力は整備し、クレディビリティを維持する。簡単な話である。米国のやり方はアジアの戦略的バランスを壊し、日中対立を招いている」(朱氏)、「日本のBMDはやはり中国が目標ではないのか。沖縄にも配備すると聞くが、北朝鮮を念頭に置くなら沖縄には必要ないだろう」(呉氏)といった意見が出されました。

 これに対して日本側からは、「中国に日本を攻撃する意図がないのであれば、なぜ中国が日本のBMDを気にするのか理解できない」(藤崎氏)、「日本にとっての北の脅威は、あくまで北が日本の都心に核を打ち込むことである。日本側にも、解放軍の第二砲兵が日本を狙っているのではないかという疑念がある。もし狙われたら防ぐのは非常に難しい。中国側がこういった話題を持ち出すこと自体、何か政治的な意図があるのではと疑ってしまう。米国もBMDは中国の戦略核を対象にしていないと明言している」「北朝鮮が日米を滅亡させるなどとは誰も考えていない。恫喝の手段として核を使うことを封じたいというのが真実である」(香田氏)といった反論がありました。


 南シナ海問題については、中国側パネリストの多くが、「正直に言って、多国間で現在の問題が解決できるとは思わない。ASEANはこの対話のためのプラットフォームではない。まずASEAN内部での領有権問題を解決してから中国に来るべきである。ASEAN+1(中国)」も、南シナ海領有権問題のもっとも重要なチャネルであると認識するのは間違っている」(朱氏)、「中国は武力を用いると言われているが、本当にそうなのか?ベトナムは非常に多くの我々の島を占領しているが、我々は軍事力を用いていない。中国が言ったことを必ず守ることは歴史的にも証明されている」と述べました。

 これに対し日本側からは、「(中国が)覇権国にならないということは具体的にどういう意味なのか、中国が説明する必要がある。実践が伴ってこそ多くの国に理解される」(宮本氏)、「中国とASEAN諸国の力の差は、巨人と子供の差ほどもある。この状況で平等な協議などあり得るのか。力の弱いASEAN諸国の自由度をどこまで保証するのかと言う問題があり、その具体的な方法が、中国の言い方を借りれば米国が『水を濁す』ということである」「中国のそうした動き(ASEAN諸国との関係)がまさに覇権主義ととらえられてしまうのである。ASEAN諸国は米国のプレゼンスを期待しており、中国が一番嫌っている覇権主義に自らが誤解されてしまう余地がある」(香田氏)、「日本はASEAN諸国の中でもすぐに手当てが必要なほど貧弱な部分を援助している。海上交通路を日中共同で守ることはいいことだが、やがて中国から『タダ乗り』と非難される日が来るかもしれない」(山口氏)、


 中国の発展について、日米関係についても、「もし私が中国人なら、中国が史上最も強かったころ、すなわち明から清へ移るころの中華世界に匹敵するかそれを超える中華世界を築きたいと思うだろう。当時の日本は大きな意味で中華の一部だったが、鎖国の元で世界一美しい国を作っていた。しかし今世紀における中華の復活では、中国の行動はグローバルに受け入れられうるものであるべきだし、紛争の平和的解決と人権の尊重という西洋文明のふたつの達成点を中国は取り入れるべきである」「今の中国を見ていると違和感がある。自分の力が強くなった結果、周辺国にどういう影響が及んでいるかについての感度が鈍い。偉大な中華は結構だが、力の間隔についてはもっと考えるべき」(東郷氏)、との見解が出されました。

 
 
 
 
 
 
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